ラシド教授が令和6年度科学技術分野 文部科学大臣表彰を受賞しました
部門: 科学技術賞(開発部門)
受賞者: 平田 晃正(名古屋工業大学)、小寺 紗千子(名古屋工業大学)、ラシド イサム(兵庫県立大学)
科学技術賞(開発部門)は我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与する画期的な研究開発若しくは発明であって、現に利活用されているものを行った個人若しくはグループ又はこれらの者を育成した個人。
新規感染症感染者数及び死者数予測システムの開発
業績:新型コロナウイルス感染症における拡大開始当初、数理モデルを用いた予測・分析が実施されたが、人のネットワークや接触の詳細を模擬することができず、感染リスクを過大評価しがちであった。これらの要因を考慮できる新たな予測システムの開発が求められていた。本開発は、機械学習を用いることにより、時々刻々と変化する人のネットワーク、接触頻度、ワクチン接種による免疫の有効率、種々の変異株の感染力に応じて、中長期の感染者数および死者数を試算可能としたものである。特に、海外などのワク チン接種および感染状況から、我が国におけるワクチンによる免疫獲得などを推定、 予測に適用できるものとした。本開発により、新たな変異株の出現、ワクチン接種戦略、緊急事態宣言の期間、蔓延防止措置の必要性など様々な条件下における新型コロナウイルス感染症新規感染者数、死者数などを試算、政策決定のための補助データを提供できるようになった。本成果は、今後の新規感染症対策における効果的な対策、医療体制の在り方に関 する情報を提供しうるものであり、国民生活の安定に寄与している。
本開発は名古屋工業大学の平田 晃正教授、小寺 紗千子准教授との共同研究により行われました。